エクリン腺という身体全身にある汗腺から通常の汗は出てきます。それが体臭につながるのですが、アポクリン腺という汗腺がおへその周りやわきの下などの身体の一部にあります。ここから出る汗というのは、粘性で栄養豊富であり、ほとんど塩分を含まないため菌を皮膚上で繁殖させて、独特の体臭を放出します。これが「ワキガ臭」とも言われるものであります。発達している汗腺のアポクリン腺の人の比率は、アメリカでは7~9割、日本人では1割ほどと言われています。これは動物性脂肪を多くとる民族ほど多くみられているのです。体の臭いに関して日本人は敏感だと言われています。
アメリカ人などに比べて、体臭が比較的少ないことが、逆に強くない臭いに対して反応してしまうというのが理由のようです。年々清潔志向は高まり、デオドラント、朝シャン、加齢臭のケアなどといった視点を若干変えながらも、老若男女の間で体臭予防は共通の関心事となっています。機能素材、サプリメント、手術などを行い日本人の身体からいつか臭いがなくなってしまう日がくるかもしれませんね。現代日本における「体臭文化」は、今後どのように展開していくのでしょうか。興味深いところであります。
「自分は臭い」といった思い込みや妄想が、自己臭恐怖の場合のベースとなっていますので、第三者が「臭くありませんよ」と言っても受け入れようとしません。たとえ、診察に行って医師から「ワキガではない」という診断を下したとしても、なにか原因が他にあるはずだと考えて、自分が臭い理由や証拠を相変わらず見つけだそうとします。しかし証拠など見つからないことがほとんどであります。
自己臭恐怖の人が感じる臭いには、単に思い込みにすぎませんので、自分の身体のどこの部分から嫌な臭いが発生しているかを自覚しているといった場合はほとんどありません。自分には体臭が感じないけれども、鼻をすする、つまむ、顔をしかめる、咳き込むなどといった周囲の人の態度から、自分は臭いんだと根拠にならない根拠で確信するのです。これも一つの現代病だと思いますが、社会に根本的な原因が潜んでいるような気がします。